白髪の染め方は5種類|違いと選び方を施術3万人以上の美容師が解説

白髪の染め方は5種類|違いと選び方を施術3万人以上の美容師が解説

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鏡の前で分け目を見たとき、白いものが前より増えている。染めたのはまだ3週間前なのに、根元だけが光って見える。40代を過ぎたあたりから、そんな瞬間が増えていませんか。

白髪の染め方は、大きく5種類です。アルカリカラー(ヘアダイ)、ヘアマニキュア(酸性カラー)、ヘナ・草木染め、カラートリートメント、ヘアマスカラ・カラースプレー。この5つしかありません。

この5つは一列に並んでいて、しっかり染まるものほど髪や地肌への負担と手間が増え、負担の軽いものほど色持ちが短くなります。このつり合いの上に並んでいるので、どれかが一番いい、ということはありません。いまの自分の条件に合うものがあるだけです。

その条件は、まず「白髪の量」「明るくしたいかどうか」「どのくらいの頻度で手をかけられるか」の3つで大きく絞れます。ただし、実際に決まるのはここまでです。よく汗をかくか、プールに入る習慣があるか、髪がアルカリの負担に耐えられる状態か、カラー剤でかぶれた経験はないか、地肌のボリュームを気にしているか。最後のひと押しは、こうした条件で変わります。

この記事では、5種類の違いを一覧表で並べたうえで、ご自身で絞れるところまでを整理します。そして最後に、自分では判断しにくいのはどこなのかをはっきりさせます。施術3万人以上の美容師がまとめました。

そもそも白髪はなぜ生えてくるのですか?

髪は、伸びてくる途中で色がつきます。その色をつける働きが弱まると、色がつかないまま伸びてくる。これが白髪です。黒い髪が途中から白く変わるのではなく、最初から色がつかずに生えてきている、と考えるとわかりやすいと思います。

出はじめる年齢には、かなりの個人差があります。30代前半から気になる方もいれば、50代でほとんど目立たない方もいます。生まれ持った体質による部分が大きく、そこに年齢の積み重ねが重なります。

一度白くなった髪は、もう元に戻らないのですか?

「一度白くなったら二度と戻らない」と言われることがありますが、そう言い切れるものでもありません。色をつくる働きそのものが失われてしまった場合は戻りませんが、栄養が足りていなかったり、強いストレスがかかっていたりして、その働きが一時的に落ちているだけのこともあります。この場合は、条件が整うとまた色がついて生えてくることがあります。

ただし、どちらなのかは見ただけでは区別がつきません。戻るかどうかにも、戻るまでの時間にも個人差が大きく、狙って起こせるものではありません。ですので現実的な対処は、「染める」「隠す」「そのまま活かす」のいずれかになります。この記事が扱うのは、そのうちの「染める」「隠す」の部分です。

白髪はどこから増えてきますか?

頭全体に均一には増えません。分け目、生え際、こめかみのあたりから増えてくる方が多く、後頭部はまだほとんど黒い、ということがよくあります。鏡で見える場所から先に増えるので、実際の量より多く感じられることも珍しくありません。同じ「白髪が気になる」でも、量と出ている場所によって向いている方法が変わります。

白髪の染め方5種類|違いの早見表

まず全体を並べます。細かい話に入る前に、この表で自分がどのあたりを見ればいいかの見当をつけてください。なお、どの方法もご自宅でもお店でもできます。

染め方 色の入り方 色持ちの目安 明るくできるか 髪・地肌への負担
① アルカリカラー
(ヘアダイ・永久染毛剤)
髪の内部まで色を入れる 1〜2か月
(根元は3〜4週間で気になりはじめる)
できる 5つのなかでは大きめ
② ヘアマニキュア
(酸性カラー)
髪の表面に色をくっつける 3〜4週間
(汗・塩素で早まる)
できない 小さめ
(地肌にはつけられない)
③ ヘナ・草木染め 髪の表面に色を重ねる 3〜4週間
(重ねるほど定着する)
できない 小さめ
(置き時間は長い)
④ カラートリートメント 洗うたびに少しずつのせる 数日〜1週間
(使い続ける前提)
できない 5つのなかでいちばん小さい
⑤ ヘアマスカラ・
カラースプレー
表面に一時的につける その日だけ できない 髪の中には入らない

上にいくほどしっかり染まり、下にいくほど手軽になります。そして明るくできるのは①だけです。ここが選び分けのいちばん大きな分かれ目になります。では、ひとつずつ見ていきます。

① アルカリカラー(ヘアダイ・永久染毛剤)

一般に「白髪染め」と呼ばれているものの中心がこれです。アルカリ剤で髪を開いて内部に色を入れるので、白い髪もしっかり染まり、同時に明るさも変えられます。白髪が多い方が全体をきれいにそろえたいなら、現実的にはこの方法になります。

そのかわり、髪への負担は5つのなかでいちばん大きくなります。白髪染めを重ねてきた方の毛先が硬くパサついてくるのは、一度の施術というより回数の積み重ねによるものです。負担を抑える手立てはあって、伸びた根元だけを塗る、染める間隔を決める、染めたあとの質感を補う、の3つが柱になります。

仕組みとデメリット、そして負担を抑える具体的な方法は「【施術3万人以上の美容師が解説】アルカリカラー(ヘアダイ・永久染毛剤)のデメリットと対策」にまとめています。市販のものとお店のものの違いについては「サロンカラーとホームカラーの違い(アルカリカラーについて)」をご覧ください。

② ヘアマニキュア(酸性カラー)

髪を開かずに、表面に色をくっつける方法です。もう少し細かく言うと、髪の表面(キューティクル)と色素が「イオン結合」でくっつくことで染まっています。内部に手を入れないぶん髪への負担が小さく、ツヤが出やすいのが持ち味です。白髪の量がまだ少なく、暗めで落ち着いた色が好みの方には相性がいい方法です。

この仕組みが、そのまま弱点にもなります。イオン結合は弱い結合なので、汗やプールの塩素の影響で結合が外れ、色が抜けていきます。汗をかきやすい時期や、プールに通う習慣のある方は、表に書いた色持ちより早く落ちるとお考えください。ここは髪質の問題ではなく、過ごし方の問題です。

もうひとつ気をつけたいのが、地肌につけられないことです。地肌に色が残ってしまうため、生え際から少し離して塗ります。つまり根元ぎりぎりの白髪は染まらずに残ります。生え際の白髪がいちばん気になっている方には、この点が効いてきます。

明るくすることはできません。また、ジアミンでかぶれた経験がある方の選択肢として挙がることがありますが、ご自身で判断せず、必ず医師にご相談のうえで検討してください。色持ちや塗り方の詳細は「ヘアマニキュア(酸性カラー)とは?白髪染めとの違いと色持ちを美容師が解説」にまとめました。

③ ヘナ・草木染め

植物の葉を原料にした染料で染める方法です。色はオレンジから赤みのある茶に入ります。黒っぽい色や、灰みがかった色にはなりません。ここを先に知っておくと、仕上がりとのずれが起きにくくなります。

髪の表面に重なるので、続けるうちにハリ・コシを感じる方が多い方法です。一方で、置き時間が長く、色の選択肢が少なく、あとからほかのカラーに切り替えるときに色が読みにくくなる、という制約もあります。また「ヘナ」という名前でも、化学染料を混ぜた製品があります。何が入っているかを必ず確認してください。

向き・不向きと注意点は「ヘナカラー(草木染め)とは?メリット・デメリットを美容師が解説」で詳しく書いています。

④ カラートリートメント

シャンプーのあとに使って、洗うたびに少しずつ色をのせていくものです。1回では染まりません。続けて使うことで濃くなっていくタイプなので、「今日染める」という使い方ではなく「色が薄くならないように保つ」使い方が本来の姿です。

染める日を決めなくていいので、次にお店へ行くまでのつなぎに向いています。根元が伸びてきた時期の見え方が、これだけでずいぶん変わります。手や浴槽に色がつきやすい点だけ、使い方で先に対処しておくと楽です。

よく似た名前の「カラーリンス」との違いも含めて、「カラートリートメントとカラーリンスの違いは?白髪への効果と使い方を美容師が解説」にまとめています。

⑤ ヘアマスカラ・カラースプレー

その日だけ、表面につけて隠すものです。髪の中には入らないので、シャンプーで落ちます。染めるというより、化粧に近い使い方だと考えてください。

出かける前に分け目や生え際の気になるところだけを押さえる、という使い方が現実的です。次の予約まであと1週間、というときのつなぎとして持っておくと、鏡を見るたびの気持ちが違います。雨や汗で落ちること、落とし忘れると枕につくことだけ頭に入れておいてください。

選び方と落とし方は「白髪隠しヘアマスカラ・カラースプレーの選び方と落とし方を美容師が解説」をご覧ください。

自分に合う染め方は、どう選べばいいですか?

まず3つの分かれ道を順番にたどって、候補を絞ってください。この順番が大事で、先に「量」を決めないと、明るさや頻度の話が宙に浮いてしまいます。ここまではご自身で判断できるところです。

分かれ道1:白髪の量はどれくらいですか?

いちばん最初に決まるのがここです。分け目のまわりを見て、だいたいの割合で考えてください。厳密に数える必要はなく、「ちらほら」「まだらに目立つ」「全体的に白い」のどれに近いかで十分です。

  • 全体の1〜2割まで(ちらほら)……④カラートリートメント、②ヘアマニキュア、③ヘナのいずれでも足ります。明るめのおしゃれ染めでぼかす選択肢もこの段階なら残っています
  • 3〜5割(まだらに目立つ)……①アルカリカラーが中心になります。明るさとの両立を考えはじめる段階です
  • 5割以上(全体的に白い)……①アルカリカラーでそろえるか、あるいは白髪を活かす方向に切り替えるかの分かれ目です

分かれ道2:明るくしたいですか、暗くても構いませんか?

ここが5種類を二つに割る線です。前の表のとおり、明るくできるのは①アルカリカラーだけで、残りの4つはいまの明るさに色を重ねる方向にしか動きません。明るくしたい気持ちがあるなら、①が前提になります。

そのうえで知っておいていただきたいことがあります。明るく染めると、伸びてきた白髪との明るさの差が縮まるので、根元の境目が目立ちにくくなります。染める間隔を空けたい方には、こちらのほうが結果的に楽です。反対に、暗く染めるほど白髪はしっかり隠れますが、伸びたときの境目ははっきり出ます。

「明るいのに白髪もしっかり染まる」は、残念ながら両立しにくいところです。どちらを優先するかを決めてしまうと、迷う回数が減ります。

分かれ道3:どのくらいの頻度で手をかけられますか?

ここまでで方法は絞れています。最後に、暮らしのペースに合う組み合わせに落とします。白髪染めがしんどくなるのは、たいてい方法が合わないからではなく頻度が合っていないときです。

手をかけられるペース 組み合わせの例
月に1回、お店に行ける ①アルカリカラー(根元中心)+ 気になる日だけ⑤でつなぐ
2〜3か月に1回しか行けない ①アルカリカラーを根元だけ + ④カラートリートメントを自宅で継続
お店には行くが、負担を抑えたい ②ヘアマニキュア または ③ヘナ + ⑤で生え際を補う
当面は自宅だけで対応したい ④カラートリートメントを軸に、外出前だけ⑤

共通しているのは、「しっかり染める方法」と「つなぐ方法」を組み合わせていることです。ひとつの方法だけで毎日をまかなおうとすると、どうしても無理が出ます。

表だけでは決まらない、4つの判断材料

ここからが本題かもしれません。量・明るさ・頻度で候補は2〜3つに絞れますが、そこから1つに決める段階では、表に書けない条件のほうが効いてきます。お店で美容師が実際に見ているのは、次の4つです。

① よく汗をかきますか。プールに入る習慣はありますか?

②ヘアマニキュアの項で書いたとおり、表面に色をくっつけるタイプは結合が弱く、汗や塩素で色が早く抜けます。③ヘナや④カラートリートメントも、程度の差はあれ同じ方向の影響を受けます。週に何度もプールに通う方が「色持ち3〜4週間」を期待して選ぶと、ほぼ確実に期待外れになります。負担の小ささを取るか、色持ちを取るかが、ここで入れ替わることがあります。

② いまの髪は、アルカリの負担に耐えられる状態ですか?

①アルカリカラーは、髪を開いて色を入れます。同じ薬剤を使っても、髪の状態によって仕上がりも手ざわりもまったく変わります。過去にブリーチをした、縮毛矯正をかけている、毛先だけが極端に柔らかい。こうした履歴があると、同じ配合では毛先が沈んだり、パサつきが強く出たりします。ここは鏡で見て判断できる部分ではなく、髪を指で触って確かめるところです。

③ カラー剤でかぶれた経験はありませんか?

これがいちばん大事です。ジアミンをはじめ、カラー剤でかゆみやかぶれが出た経験のある方は、ご自身で「これなら大丈夫だろう」と判断しないでください。まず医師にご相談いただき、そのうえで使える方法を一緒に考えるという順番になります。ネットで「この方法なら平気」と書かれていても、その方に当てはまるとは限りません。

④ 地肌やボリュームのことが気になっていますか?

分け目が広く見えてきた、髪が細くなってきた。そうした変化が気になっている方は、地肌に薬剤を置く時間をできるだけ短くしたいところです。①アルカリカラーを選ぶにしても、塗る位置を地肌から少し離す、根元だけにとどめる、間隔を空けるといった調整で、地肌への刺激は変わります。②ヘアマニキュアのように、そもそも地肌につけない方法を選ぶ考え方もあります。

この4つは、ご自身で判断しないほうが早いです

4つとも、ご自身で正確に判断するのが難しいものばかりです。髪の履歴は忘れているものですし、かぶれは自己判断の危険が大きい。地肌の状態も、自分では見えません。候補を2〜3つに絞るところまではこの記事で進めて、最後の1つは髪を見せて決める。この分け方が、いちばん遠回りが少なくなります。

相談するときは、「白髪を染めたい」ではなく「この2つで迷っている」と伝えていただけると話が早いです。ここまで読んでくださった方なら、もうその2つは言えるはずです。

白髪染めとおしゃれ染めは一緒にできますか?

結論だけ書くと、同じ日に部分ごとに塗り分けることはできますし、実際によく行われています。ただし白髪の量と、どこまで明るくしたいかによって、できることの幅が変わります。

この話は単独で1本書いていますので、そちらをご覧ください。「【施術3万人以上の美容師が解説】白髪染めとおしゃれ染めの違い|同時に使える?明るくできる?」で、仕組みから同時施術の可否まで整理しています。

よくある質問

白髪は抜いてもいいですか?

おすすめしません。抜いても、次に生えてくる髪の色が変わるわけではないからです。同じところからまた白い髪が伸びてきます。それどころか、抜くことを繰り返すと生え際の毛の長さが不ぞろいになり、短い毛が立ち上がってかえって目立つことがあります。気になるときは抜かずに、根元近くで短く切るほうが無難です。

白髪染めは何週間おきに染めるのがいいですか?

髪が伸びるスピードは1か月に1cm前後が目安です。根元の白が気になりはじめるのは、多くの方で3〜4週間あたりになります。ただし毎回、毛先まで染め直す必要はありません。伸びた根元だけを染めて、毛先は色が薄くなったときだけ重ねる。この分け方にすると、髪への負担も費用も抑えられます。

市販の白髪染めとお店の白髪染めは何が違いますか?

設計の向きが違います。市販のものは、誰がどんな髪に塗っても均一に染まるように作られています。お店のものは、髪の状態を見て薬剤の強さや置き時間を変えられることを前提にしています。どちらが優れているという話ではなく、目的が違うと考えてください。ご自身で染める前提なら市販のものが理にかなっていますし、負担を抑えながら明るさも出したいならお店で相談する価値があります。

カラートリートメントだけで白髪は染まりますか?

白髪の量によります。1〜2割までの方なら、続けて使うことで十分に目立たなくなります。一方で3割を超えてくると、「染まる」というより「ぼかす」までが現実的な線です。しっかり色をそろえたいのか、目立たなければいいのか。ここをご自身のなかではっきりさせておくと、期待とのずれが起きにくくなります。

白髪染めを続けていると、髪は傷んできますか?

染めること自体が即座に大きな負担になるというより、回数が重なるほど髪の表面が乱れ、水分が抜けやすくなっていきます。その結果として、パサつきやうねりが以前より目立って感じられることがあります。染める範囲と間隔、染めたあとのケアで変えられる部分なので、あきらめる必要はありません。髪の変化との関係は「髪のうねりはなぜ出てくる?原因と、家でできる対策・お店でできる対策|施術3万人以上の美容師が解説」でも触れています。

最後に

白髪の染め方は5つしかありません。そのうち、量・明るさ・頻度で候補は2〜3つまで絞れます。ここまではご自身でできるところです。

そこから先、汗やプールの習慣、髪がアルカリに耐えられるか、かぶれの経験、地肌のこと。この4つは髪を見ないと決めきれません。だからこそ、絞ってから相談していただくのがいちばん早いと思っています。いまの白髪の量と伸びるペース、これまでのカラーの履歴を見て、染める範囲と間隔の決め方からお話しします。ご予約・ご相談はLINEからどうぞ。メニューと料金は料金メニュー、場所とご予約方法はアクセス・ご予約にまとめています。

染めたあとの質感を保つために、家で使うものをお探しの方は、こちらもご覧ください。

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