40代・50代で出てくる髪の変化は、大きく4つに分かれます。うねり/白髪/ボリューム/パサつき・ツヤ。ご来店で「前と違う」とうかがう内容は、ほぼこのどれかに収まります。
バラバラの悩みに見えますが、変化が起きている場所は「頭皮」「ヘアサイクル」「髪の内部」の3つに集まります。だから4つを同時に手当てしようとすると、何が効いたのか分からなくなって、続きません。
手をつける順番は、①頭皮 → ②乾かし方 → ③洗い流さないトリートメント → ④お店での施術。土台に近いほうから順に、というのが基本の考え方です。この記事では、4つの変化それぞれがどういうものかと、この順番にする理由を書きます。各論はそれぞれの記事に分けてありますので、当てはまるところから読んでいただければと思います。
40代・50代で起きる髪の変化は、大きく4つ
まず、ご自身がどれに当たるかを見てください。ひとつだけのこともありますし、2つ3つが重なっていることもあります。重なっている場合、どれが主でどれが従かで手の打ち方が変わります。
① うねりが出る
もともと直毛だった方に、あとからうねりが出てくることがあります。生えぎわがちりつく、毛先だけがはねる、雨の日だけ広がる。こうした「部分的なうねり」が最初のサインになりやすいです。
毛量はあるのに夕方には広がってまとまらない、という形で気づく方も多くいらっしゃいます。うねりが出る仕組みと、家でできること・お店でできることは別の記事にまとめました。
→ 髪のうねりはなぜ出てくる?原因と、家でできる対策・お店でできる対策|施術3万人以上の美容師が解説
② 白髪が増える
本数が増えるだけでなく、生えてくる場所が広がっていくのが40代以降の特徴です。こめかみと分け目から始まって、だんだん後ろへ広がります。染める範囲と間隔をどこで区切るかが、ここからの悩みどころになります。
染め方は5種類あって、それぞれ色の入り方も髪への負担も違います。比較と選び方はこちらにまとめました。
→ 白髪の染め方は5種類|違いと選び方を施術3万人以上の美容師が解説
③ ボリュームが落ちる・分け目が目立つ
「毛量が減った」と感じていても、実際には本数ではなく1本1本が細くなって、根元が立ち上がりにくくなっていることのほうが多いです。細い髪はぺたんとしやすく、分け目の地肌が透けて見えます。
髪には生えて抜けるまでの周期(ヘアサイクル)があり、この周期は年齢や頭皮の状態で変わります。ここは髪そのものより頭皮側の話になるので、先に読んでおいていただきたい記事が2本あります。
④ パサつく・ツヤが落ちる
以前より髪にツヤがなくなって、疲れて見えるようになった。細くなってきてパサつくのに、ぺたんとしてしまう。白髪染めを重ねて毛先が硬くパサついてきた。この3つは、40代・50代でとくによくうかがう言い方です。
ツヤは、髪の表面がそろっていて光が一方向に返るときに出ます。うねりがあると光が散るので、①と④は同時に起きやすい組み合わせです。
なぜ年齢で髪は変わるのですか?
ひとことで言えば、髪をつくっている土台のほうが先に変わるからです。髪は頭皮から生えてくるものなので、頭皮の状態とヘアサイクルが変われば、生えてくる髪の太さも断面の形も変わります。すでに生えている髪が途中で変わるのではなく、あとから生えてくる髪が変わってくる、という順番です。
頭皮の環境が変わる
皮脂の量と質は年齢とともに変わります。皮脂が減れば頭皮は乾きやすくなり、逆に部分的に多く出る方もいます。どちらに振れても、頭皮がすこやかな状態から離れると、生えてくる髪にはあらわれます。
毛穴の形も影響します。毛穴の断面がゆがむと、そこから出てくる毛の断面も丸から楕円に寄り、うねりとして出てきます。①のうねりと③のボリュームが同じ時期に気になり出すのは、このためです。
ヘアサイクルが変わる
髪は伸びる時期・止まる時期・抜ける時期をくり返しています。伸びる時期が短くなると、十分に太くなる前に抜けることになり、結果として細い髪の割合が増えます。1本あたりが細くなると、同じ本数でも全体のボリュームは落ちて見えます。
髪の内部の水分と脂質のバランスが変わる
髪の中の水分の抱え方が変わると、湿気を吸ったときの膨らみ方に偏りが出ます。同じ1本の中でも膨らむ側とそうでない側ができて、うねりや広がりになります。パサつきも、単純に水分が足りないというより、抱えた水分が保たれずに出入りしている状態のことが多いです。
ただし、年齢だけが理由とは言い切れません
ここまで年齢の話として書いてきましたが、そう言い切れるものでもありません。季節や湿度、睡眠や食事、これまでのカラー・パーマの履歴、日々の乾かし方。これらが同じ時期に重なって、年齢による変化として感じられていることがよくあります。
実際、生活のほうが先に変わっていて、髪はその影響を受けているだけ、というケースも見ます。見た目だけで切り分けるのは難しいので、まずは順番どおりに手をつけて、変わるかどうかを見るほうが早いです。
どこから手をつければいいですか?
土台に近いほうからです。①頭皮、②乾かし方、③洗い流さないトリートメント、④お店での施術。この順番にする理由は単純で、下から順に整えないと、上でやったことが乗らないからです。頭皮が整っていないところに高いトリートメントを足しても、感じ方が弱くなります。
もうひとつ理由があります。①から順にやると、変化があったときに「どれが効いたか」が分かります。4つ同時に始めると分からないまま続けることになり、次に何を足せばいいかが決められません。
① 頭皮 ― まず洗い方と、洗うものを見直す
いちばん最初に手をつけるところです。費用も手間も追加せずに変えられて、いちばん土台に近い。
- 洗う前に、乾いた状態でブラッシングをして絡まりをほどく
- お湯だけで30秒〜1分、頭皮をすすぐ
- シャンプーは手のひらで泡立ててから、指の腹で頭皮を動かすように洗う
- すすぎは洗った時間の倍かける
ブラッシングに使う道具は、頭皮に当てるならクッション性のあるものが扱いやすいです。
洗うものについては、頭皮の状態でタイプを選びます。乾いているのか、皮脂が多いのか、どちらとも言えないのか。ここを間違えると、洗うたびに逆方向に振れていきます。
- キュアフォース シャンプー|サロン専売・医薬部外品の4タイプと選び方
- 【アマトラ メゾフォルテ スカルプエステ S】炭酸の頭皮ケアシャンプー|ヘアバスSとの使い分け
- 【頭皮ケアアイテム】R-21 BOTANIENCE SCALPSUPPLY,SCALPSUPPLY SP(R-21 ボタニエンス スキャルプサプリ,スキャルプサプリ SP)
② 乾かし方 ― 道具より先に、順番を変える
ドライヤーを買い替える前に、乾かす順番を変えてみてください。40代・50代の髪でいちばん差が出るのはここです。
- タオルで水気を取る。こすらず、押さえて吸わせる
- 根元から乾かす。毛先から乾かすと、根元が乾くころには毛先が乾きすぎる
- 根元は、分け目と逆方向に指を入れて起こしながら風を当てる
- 8割乾いたら、上から風を当てて表面をそろえる
- 最後に冷風で1〜2分。ここで形が決まります
③のボリュームが気になる方は、3番だけでも変わります。分け目どおりに乾かすと、分け目の癖がそのまま固定されてしまうためです。
そのうえで道具を変えるなら、風量と温度のコントロールがしっかりしたものを選びます。
→ 【新商品】ReFa BEAUTECH DRYER SE(リファビューテック ドライヤー SE)
③ 洗い流さないトリートメント ― オイル1本で足りないことが多い
④のパサつきに直接効くのがここです。ただ、オイルを1本つけるだけでは足りないことが多くあります。オイルは表面をコートしてツヤを出すのが得意ですが、水分を抱えさせる役割は別のものが担うためです。
髪が細くなってきた方は、オイルを多くつけるとぺたんとします。ミルクやエマルジョンで水分を入れてから、オイルは毛先だけに少量、という分け方のほうが合います。
→ 【秋の髪質改善】オイルだけじゃ乾く?「シルキーエマルジョン×レスキューセラムS」W使いの選択
④ お店での施術 ― ①〜③をやってから決める
最後です。①〜③をひと月ほど続けてから決めると、何が足りないかがはっきりしています。
パサつき・ツヤが主なら、まずはトリートメントから。エイジングケア※年齢に応じたケアのラインは、質感の整え方が家のものとは違います。
→ サロントリートメントにエイジングケアラインを導入しました
うねりが主で、家での乾かし方では追いつかない場合は、施術で形そのものを変える選択になります。年齢によるうねりに合わせた、髪への負担を抑えた設計のメニューです。
→ エイジングストレートとは?酸性ストレートの仕組みと、縮毛矯正との違い
手をつける順番のまとめ
| 順番 | やること | 主に効く変化 | 目安の期間 | 追加の費用 |
|---|---|---|---|---|
| ① | 洗い方・シャンプーの見直し | ③ボリューム/④パサつき | 2〜3か月 | 小(買い替えのみ) |
| ② | 乾かす順番を変える | ①うねり/③ボリューム | その日から | なし |
| ③ | 洗い流さないトリートメント | ④パサつき・ツヤ | 2〜4週間 | 小〜中 |
| ④ | お店での施術 | ①うねり/②白髪/④ツヤ | 施術当日から | 中〜大 |
①と②は今日から始められて、費用もほとんどかかりません。まずはここからです。効果の感じ方には個人差があります。
それでも、順番だけでは決まらない3つのこと
ここまで順番を書いてきましたが、この表だけで決めきれない部分が残ります。実際に髪を見ないと分からない条件が、少なくとも3つあります。
1. 変化が1つに見えて、2つ重なっていること
「パサつく」とおっしゃる方の髪を見ると、パサついているのではなく、うねって光が散っているだけ、ということがよくあります。この場合、トリートメントを足しても変わりません。逆も同じで、うねって見えて実際は乾燥ということもあります。ここを取り違えると、順番ごと的外れになります。
2. 髪が薬剤の負担に耐えられる状態かどうか
④の施術に進めるかどうかは、これまでのカラーやパーマの履歴と、いまの毛先の状態で決まります。とくに白髪染めを長く重ねてきた髪は、見た目より負担が蓄積していることがあります。同じメニューでも、かけられる方とそうでない方がいます。
3. 地肌の気になり具合と、かぶれの経験
地肌のボリュームを気にされている場合、頭皮への当て方から変えます。また、カラー剤でかぶれた経験がある方は、選べる染め方の範囲がそもそも変わります。かぶれについては、ご自身で判断せず、必ず医師にご相談のうえで検討してください。
この3つは、ご自身で判断しないほうが早いところです。順番の①②はどなたにも当てはまるので今日から進めていただき、③④に進む前に一度見せていただく、というのがいちばん無駄がありません。
ご相談いただくときは、「髪が気になって」より「うねりとパサつきが両方あって、どちらから手をつけるか迷っている」と言っていただけると早いです。この記事の4つの番号で言っていただいても構いません。
よくある質問
40代になったら、シャンプーは変えたほうがいいですか?
いま使っているもので頭皮の状態が落ち着いているなら、変える必要はありません。変えたほうがよいのは、洗ったのに夕方にはべたつく、乾かしたあとに地肌がつっぱる、といった変化が出てきたときです。年齢で機械的に切り替えるものではなく、頭皮の状態で決めます。
4つの変化を全部同時に対策してはいけませんか?
いけないわけではありませんが、おすすめしていません。同時に4つ変えると、変化があったときにどれが効いたのかが分からなくなります。次に何を足すか・何をやめるかが決められなくなるので、結果的に遠回りになります。①から順に、ひとつずつ足してください。
うねりと白髪、どちらを先に手当てすべきですか?
気になっているほうを先で構いません。ただし同じ日に両方の施術を入れるかどうかは、髪の状態で変わります。負担が重なるので、髪の状態によっては日を分けたほうがよい場合があります。ここは見せていただいてからのご相談になります。
どれくらい続ければ変化が分かりますか?
乾かし方はその日から違いが出ます。洗い流さないトリートメントは2〜4週間。シャンプーの見直しは、新しく生えてくる髪が伸びてくる分も含めて2〜3か月が目安です。いちばん下の土台ほど、結果が出るまでに時間がかかります。感じ方には個人差があります。
市販のものではだめですか?
だめということはありません。ただ、市販のものは幅広い方に合うように設計されていることが多く、頭皮の状態でタイプを選び分ける、という作りにはなっていないものが多いです。①の段階で「自分の頭皮がどちらに寄っているか」をはっきりさせてから選ぶと、市販のものでも外しにくくなります。
最後に
40代・50代の髪の変化は4つ。順番は①頭皮、②乾かし方、③洗い流さないトリートメント、④お店での施術。①と②は今日から、費用をかけずに始められます。
そのうえで、変化が2つ重なっていないか、髪が施術の負担に耐えられる状態か、地肌やかぶれのことはどうか。この3つは髪を見ないと決まりません。①②を進めていただいて、③④に入る前に一度ご相談いただくのがいちばん早いと思っています。いまの髪の状態と、これまでのカラーの履歴を見て、どこから手をつけるかをお話しします。ご予約・ご相談はLINEからどうぞ。メニューと料金は料金メニュー、場所とご予約方法はアクセス・ご予約にまとめています。
①〜③で使うものをお探しの方は、こちらもご覧ください。
