ヘナカラーは、熱帯地方に自生するシコウカ(指甲花)という植物の葉を乾燥させ、粉末にしたものを水で溶いて髪を染める方法です。「草木染め」とも呼ばれます。
ヘナカラー(草木染め)とは?
ヘナは古代から手足や爪を染める染料として使われてきました。クレオパトラがヘナで爪を染めていたという逸話も残っています。インドの伝統医学アーユルヴェーダをはじめ、古くから生活の中に取り入れられてきた植物です。
一般的なヘアカラー(アルカリカラー)が化学反応で色を作るのに対し、ヘナは植物そのものの色素を髪に着色させるという点が根本的に違います。
※ アルカリカラーの仕組みはアルカリカラー(永久染毛剤)の記事で解説しています。
ヘナで染めるとどんな色になる?
純粋なヘナはオレンジ色です。100%ヘナで染めた場合、髪はオレンジ色に染まります。
白髪と黒髪の割合によって見え方は変わりますが、染めた直後はオレンジが強く出て、日が経つにつれてオレンジブラウンへ落ち着いていきます。
ここが最初のつまずきポイントです。「自然な茶色になる」とイメージして施術すると、想像と違う仕上がりに感じる方がいます。ヘナは色を選ぶカラーではない、という理解が出発点になります。
なお、白髪はもともと色素がないため、ヘナのオレンジがそのまま出やすくなります。黒髪部分は元の色が残るので、白髪と黒髪でコントラストが出ることも覚えておいてください。
ヘナカラーのメリットは?
1. 髪や頭皮への負担がかかりにくい
一般的なヘアカラーはアルカリ剤と過酸化水素で髪の内部を化学的に変化させますが、ヘナは植物の色素が髪の表面に絡みつくかたちで着色します。仕組みが違うぶん、負担の質も変わります。
2. 手触りの変化を感じる方が多い
ヘナの成分には髪のたんぱく質に絡みつく性質があり、染めた後に「髪にハリが出た」「まとまりやすくなった」と感じる方がいます。感じ方には個人差があります。
3. ジアミン(酸化染料)を使わない
一般的なヘアカラーに含まれるジアミン系の染料を使いません。ジアミンにアレルギーがある方にとって選択肢のひとつになり得ます。
※ ただし「ヘナなら絶対に安全」ではありません。次の項目もあわせてお読みください。
ヘナカラーのデメリットは?
1. 発色が安定しない
植物である以上、産地・収穫時期・鮮度によって発色が変わります。前回と同じ商品でも同じ色になるとは限りません。
2. 植物アレルギーのリスクがある
ヘナは植物です。花粉症など植物性のアレルギーがある方は、アレルギー症状が出る場合があります。ジアミンが入っていないことと、アレルギーが起きないことはイコールではありません。体質に不安がある方は自己判断せず、事前に医師へご相談のうえ、必ずパッチテストを行ってください。
3. 明るくはできない
ヘナには髪を明るくする(脱色する)力がありません。今より明るい髪色にしたい場合、ヘナは選択肢になりません。
4. 色の自由度が低い
基本はオレンジ〜オレンジブラウンの範囲です。アッシュやマット系の色は出せません。
5. その後の施術に影響することがある
ヘナで染めた髪はカラーやパーマの薬剤が入りにくくなる場合があります。将来的に明るくしたい・パーマをかけたいという予定がある方は、先に美容師へ伝えてください。
「ケミカルヘナ」に注意
「ヘナ」と書かれていても、天然成分100%とは限りません。
発色を安定させたり色のバリエーションを増やすために、化学染料を配合した商品があります。これらは一般に「ケミカルヘナ」と呼ばれます。ジアミンが配合されているものもあるため、「ヘナだからジアミンは入っていない」という前提で選ぶのは危険です。
見分けるには全成分表示を確認するのが確実です。判断に迷う場合は、ヘナを取り扱っているサロンに相談してください。
ヘナと他のヘアカラーはどう違う?
| 種類 | 明るくできる | 色の自由度 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| ヘナカラー(草木染め) | × | 低い | 植物由来。オレンジ系 |
| アルカリカラー(永久染毛剤) | ○ | 高い | 最も一般的。明るさも色も自由度が高い |
| ヘアマニキュア(酸性カラー) | × | 中 | 髪の表面に着色。地肌にはつけられない |
| カラートリートメント | × | 低い | 自宅で少しずつ。色が落ちやすい |
| ヘアマスカラ(一時着色料) | × | 低い | その日だけ。シャンプーで落ちる |
白髪染めとおしゃれ染めの使い分けについては、白髪染めとおしゃれ染めの違いもあわせてご覧ください。
ヘナカラーはどんな人に向いている?
向いている方
- 今より明るくする必要がなく、暗さも気にならない方
- オレンジ〜ブラウン系の発色を受け入れられる方
- 髪や頭皮への負担の質を変えたいと考えている方
慎重に検討したい方
- アッシュ系など寒色に染めたい方
- 将来的にブリーチやパーマの予定がある方
- 植物性アレルギーがある方(要・医師相談+パッチテスト)
当店では、髪の状態やこれからやりたいスタイルをうかがったうえで、ヘナが合うかどうかも含めてご提案しています。
よくある質問
Q. ヘナで白髪は染まりますか?
A. 染まります。ただし色はオレンジ系になります。白髪は色素がないぶんヘナの色が出やすく、黒髪部分との差が出ることがあります。
Q. ヘナカラーはどのくらい持ちますか?
A. 髪質や白髪の量によって差がありますが、色は徐々に退色していきます。根元の伸びは通常のカラーと同じように出てきます。
Q. ヘナで染めた後にパーマはかけられますか?
A. かけられない場合や、かかりにくくなる場合があります。ヘナで染めた経歴は必ず美容師にお伝えください。
「白髪は気になるけれど、髪への負担も減らしたい」というご相談を多くいただきます。あなたの髪に合う方法をご提案しますので、お気軽にご相談ください。