分け目のあたりが赤い。シャンプーのときに少ししみる。夕方になるとかゆくなる。カラーの薬剤がいつもより効いた気がする。頭皮は自分では見えない場所なので、気づいたときには「前からこうだったのか、最近なのか」も分からないことが多いところです。
先にお伝えしておきたいことがあります。頭皮トラブルのうち、シャンプーを変えることで届く範囲は、思っているより狭いです。赤みやかゆみが続いているなら、まず皮膚科で診てもらってください。シャンプーは医薬品ではないので、起きていること自体を治すものではありません。
そのうえで、今の状態をこれ以上刺激しないシャンプーの選び方と、洗い方はあります。頭皮を見るときにチェックしているのは、化粧品か薬用か・洗浄成分・入っているものの数・洗うときの摩擦の4つです。この記事では、その4つと、皮膚科に行ったほうがいいサイン、シャンプーを選ぶ前に変えたほうがいいことを、施術3万人以上の美容師がまとめました。
頭皮トラブルは、どうして起きるのですか?
原因はひとつではなく、だいたい次の4つのどれか、あるいは複数が重なっています。自分がどれに近いかを見当づけると、やることが決まります。
- 乾燥している。洗いすぎ、熱いお湯、乾燥した季節。皮脂が減りすぎると、外からの刺激を受けやすくなります
- すすぎ残しがある。シャンプーやトリートメントが頭皮に残ったまま乾いている状態。生え際と耳の後ろに起きやすいところです
- 摩擦。爪を立てて洗っている、ブラッシングで引っかけている、シャンプーブラシを強く当てている
- 体調や季節の影響。睡眠不足や、季節の変わり目に出ることがあります
この4つは、いずれも家でのやり方を変えれば手を入れられる部分です。ただし、ここに当てはまらない、あるいは変えても続く場合は、次の章を読んでください。
皮膚科に行ったほうがいい頭皮トラブルのサインはありますか?
美容師にできることと、できないことがあります。次のどれかに当てはまるなら、シャンプーを選び直すより先に皮膚科で診てもらうほうが早いです。私たちは診断ができませんし、シャンプーは医薬品ではありません。
- 赤みやかゆみが2週間以上続いている
- ジュクジュクしている、かさぶたになっている、汁が出る
- 髪が抜ける量が急に増えた
- 頭皮だけでなく、顔や首、体にも同じような症状がある
- 市販の対策をいろいろ試したが、変わらない・悪くなっている
皮膚科で診てもらうと、市販品では対応できない範囲かどうかがはっきりします。そのうえで「シャンプーは低刺激のものに」と言われることも多く、そのときにこの先の内容が役に立ちます。順番が逆にならないようにしてください。
シャンプーを選ぶときに見ている4つのこと
頭皮が敏感になっているときに、私が見ているのはこの4点です。パッケージの「敏感肌用」という表示だけで決めないほうが、外しにくくなります。
1. 化粧品か、薬用(医薬部外品)か
シャンプーは、法律上「化粧品」と「医薬部外品(薬用シャンプー)」に分かれます。ボトルの裏に「医薬部外品」と書いてあるかどうかで見分けられます。
| 化粧品 | 薬用シャンプー(医薬部外品) | |
|---|---|---|
| 有効成分 | なし | 承認された有効成分が入っている |
| 表示できること | 頭皮・毛髪を清浄にする、すこやかに保つ など | 上記に加えて「ふけ・かゆみを防ぐ」など、承認された効能 |
| 成分表示 | 配合量の多い順に並ぶ | 「有効成分」と「その他の成分」に分かれる |
頭皮トラブルが気になるときは、薬用シャンプーが選択肢に入ります。ただし言葉の意味を正確にとらえてください。薬用シャンプーが表示できるのは「防ぐ」までです。すでに起きているものを治すのは医薬品の役割で、皮膚科で処方されるものがそれにあたります。予防と治療は別のものだと考えておくと、期待値がずれません。
2. 洗浄成分が何か
成分表示の最初のほう、水の次に来るのが洗浄成分です。ここを見ます。
硫酸系(ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Naなど)は泡立ちがよく洗浄力も高いぶん、乾燥しているときには強く出ます。アミノ酸系(ココイルグルタミン酸Na、ラウロイルメチルアラニンNaなど)やベタイン系(コカミドプロピルベタインなど)は、洗浄力が穏やかです。
ただし「アミノ酸系だから安心」と単純化しないでください。洗浄力が穏やかということは、皮脂が多い方には足りないということでもあります。合う・合わないは、頭皮の状態次第です。
3. 入っているものの数が多すぎないか
香料、着色料、そのほか目的の違う成分がたくさん入っているほど、そのどれかが合わない可能性は上がります。敏感になっているときは、成分表示が短いもののほうが、原因を絞りやすいという考え方をします。
もし過去に「これは合わなかった」というものがあるなら、そのときの商品の成分表示を写真に撮っておくと、次に選ぶときの手がかりになります。
4. 洗うときの摩擦が少ないか
見落とされがちですが、これが実際にはいちばん効きます。泡立ちの悪いシャンプーを無理に泡立てようとすると、頭皮をこする回数が増えます。逆に、最初からクリーム状で伸びのいいものは、こする回数が減ります。
泡立たないクリームタイプについては「泡立たないクリームシャンプーとは?普通のシャンプーとの違いと、向いている人・向かない人」に、仕組みと洗い方をまとめています。
シャンプーを選び直す前に、変えたほうがいいこと
順番としては、こちらが先です。商品を変えなくても、ここだけで落ち着くことがあります。
- お湯の温度を38度前後まで下げる。熱いお湯は皮脂を落としすぎます。「少しぬるい」と感じるくらいが適温です
- すすぎの時間を倍にする。生え際、耳の後ろ、襟足。この3か所は流し残しの定番です
- 爪を立てない。指の腹で、頭皮を動かすように洗います。気持ちいいと感じる強さの、ひとつ手前で止めてください
- 洗ったらすぐ乾かす。濡れたまま置くと、頭皮の環境が変わります。根元から、ドライヤーは10cmほど離して
- シャンプーブラシを一度やめてみる。強く当てていると、それ自体が刺激になっていることがあります
この5つを2週間続けても変わらないなら、シャンプーを選び直す段階です。そして、前の章のサインに当てはまるなら皮膚科へ。
当店で扱っているもの
当店で扱っているキュアフォース シャンプーは医薬部外品(薬用シャンプー)で、頭皮の状態に合わせて4タイプから選びます。頭皮の全体または一部が赤く、指の腹で押しても白くならない——この見え方のときに選ぶのが、敏感肌用の「センシティブスキン(桐の香り)」です。4タイプのうち、これだけがクリーム状で泡立ちません。
上の4点に当てはめると、薬用であること、泡立たないぶん摩擦が少ないこと、この2つが当てはまるタイプ、という位置づけになります。
頭皮の見分け方は「キュアフォースの選び方|シャンプー・トリートメント各4タイプの違いを美容師が解説」に、押し方から順に書いています。価格と4タイプの一覧は「キュアフォース シャンプーの4タイプと価格|頭皮タイプ別の選び方」をご覧ください。
よくある質問
頭皮トラブルには、薬用シャンプーを使ったほうがいいですか?
選択肢のひとつになりますが、万能ではありません。薬用シャンプーが表示できるのは「ふけ・かゆみを防ぐ」といった予防の範囲で、すでに起きているものを治すものではありません。そして、洗い方や温度が原因なら、そちらを変えるほうが早く変わります。
「敏感肌用」と書いてあれば安心ですか?
表示だけでは決められません。敏感肌用という言葉に決まった基準はなく、何をもってそう呼ぶかは商品によって違います。成分表示の洗浄成分を見るほうが確実です。また、同じ商品でも合う方と合わない方がいるので、可能なら少量から試してください。
シャンプーを変えれば、頭皮の赤みはなくなりますか?
シャンプーは医薬品ではないので、起きていること自体を治すものではありません。期待できるのは「今の状態をこれ以上刺激しない」という範囲です。赤みが続いているなら、皮膚科で診てもらうのが先になります。
洗う回数を減らしたほうがいいですか?
一概には言えません。乾燥が原因なら減らすほうに働きますが、すすぎ残しや汗が原因なら、洗わないことで悪くなります。まず温度と洗い方を変えてみて、それでも判断がつかないときにご相談ください。
カラーをするとしみます。やめたほうがいいですか?
しみる状態でそのまま続けるのはおすすめしません。ただ、施術のやり方で変えられる部分もあります。頭皮につけない塗り方にする、薬剤の種類を変える、間隔をあける、といった調整です。次に来店されるときに、しみることを先に伝えてください。
市販のシャンプーとサロンのシャンプー、どちらがいいですか?
どちらが上ということはありません。価格帯が上がると洗浄成分が穏やかなものを使いやすくなる、という傾向はありますが、値段と合う・合わないは別の話です。今の頭皮の状態に対して、洗浄成分が強すぎないかどうかで選んでください。
最後に
頭皮トラブルは、自分では見えない場所に出るぶん、気づくのが遅れます。そして、シャンプーで届く範囲は限られています。まずお湯の温度と洗い方。それでも続くなら皮膚科。そのうえで、刺激を足さないシャンプーを選ぶ。この順番が、遠回りに見えていちばん早いです。
ご自身の頭皮がどういう状態なのか、一度見てほしいということでしたらご相談ください。当日の施術をどうするかも含めてお話しします。ご予約・ご相談はLINEからどうぞ。メニューと料金は料金メニュー、場所とご予約方法はアクセス・ご予約にまとめています。