ロールブラシは、円筒状で360度に毛が付いたブラシです。ドライヤーの風と合わせて使うことで、毛先にカールをつける・根元を立ち上げる・くせ毛を伸ばして面をそろえる、といったことができます。
使い方のコツは3つだけです。①毛束はブラシの直径と同じ幅で取る ②ブラシの毛に対して垂直に髪を絡ませる ③熱を加えたあと、冷ましてから外す。この3つを守るかどうかで仕上がりがはっきり変わります。
サイズ(直径)は「どんな仕上がりにしたいか」で決めます。細いほどカールは強く、太いほどストレートに近い自然な丸みになります。この記事では、施術3万人以上の美容師が、使い方とサイズの選び方をひととおり整理します。
ロールブラシとは?「くるくるくし」「ロール櫛」も同じもの
ロールブラシは、通常のヘアブラシと違って円筒状で、360度ぐるりと毛が付いているのが特徴です。この形のおかげで、髪を巻き込みながら回転させることができます。
呼び方はお店やネットショップによってばらばらで、ブローブラシ・くるくるブラシ・くるくるくし・ロール櫛などと表記されていることがあります。いずれも指しているものは同じだと思っていただいて構いません。
紛らわしいのが「くるくるドライヤー」(ブラシ型ドライヤー)です。こちらはブラシ自体から熱風が出る電化製品で、ロールブラシは電気を使わない道具です。風の角度と温度を手元で細かく変えられるのはロールブラシのほうで、サロンのブローで使うのもこちらです。
ロールブラシの使い方|基本の3ステップ
ロールブラシがうまく使えないという方の多くは、髪の取り方か、外すタイミングのどちらかでつまずいています。順番に見ていきます。
ステップ1:毛束はブラシの直径と同じ幅で取る
いちばん大事なのがここです。取る毛束の幅は、使っているブラシの直径と同じくらいを目安にしてください。
毛束が広すぎるとブラシに巻ききれず、テンション(引っぱる力)が均一にかかりません。毛先にカールをつけたいだけなら多めの髪を一気に巻き込むこともできますが、根元を立ち上げたい、くせ毛を伸ばしたいときは、必ず幅を守って小分けにしてください。
ステップ2:ブラシの毛に対して垂直に髪を絡ませる
髪をブラシに乗せるとき、ブラシの毛に対して垂直になるように絡ませると、するするとスムーズに回転させることができます。斜めに入ってしまうと途中で引っかかり、髪が絡まる原因になります。
回すときは、力ずくで引っぱらないことです。ブラシを回す手と、ドライヤーを持つ手を同じ方向に動かすと、テンションが一定になって扱いやすくなります。
ステップ3:ドライヤーで熱を加え、冷ましてから外す
飛ばしてしまう方がとても多いところです。髪の形は熱で変わり、冷えるときに固定されます。まだ温かいうちにブラシを抜くと、せっかくつけたカールがすぐにゆるみます。
手順としては、熱風を当てる → ドライヤーを止めて数秒待つ(または冷風を当てる) → 少し冷めてから毛束をブラシから外す。この一手間だけで、カールの持ちが変わります。
目的別のロールブラシの使い方

毛先にカールをつけたいとき
毛先をブラシに巻き込み、内巻きにしたい方向へブラシを回しながら熱風を当てます。巻き込んだ状態で少し置いてから、冷ましてブラシを外します。
ブラシに巻き込む長さは、毛先から10cmほどを目安にすると自然な丸みになります。強めのカールにしたいときは、巻き込む長さを増やすより細いブラシに変えるほうが失敗しません。
根元を立ち上げてボリュームを出したいとき
トップのボリュームが出ないときは、根元から立ち上げる使い方をします。
毛束をブラシの直径と同じ幅で取り、根元にブラシを差し込んで、髪を起こしたい方向と逆側に引き上げながら熱風を当てます。数秒キープし、冷ましてから外します。分け目の周辺は、いつもと逆方向に乾かしてから戻すと立ち上がりやすくなります。
くせ毛を伸ばして、ツヤを出したいとき
くせを伸ばしたいときはテンションをかけることが要です。毛束の幅を守って小分けにし、根元から毛先に向かってブラシをすべらせながら熱風を当てます。風は必ず根元から毛先の方向へ。毛流れに沿って当てると表面が整い、光が反射してツヤが出ます。
円筒状ではなく三角柱状のものもあり、こちらは面でテンションをかけやすいので、くせを伸ばす用途に向いています。
ロールブラシのサイズ(直径)の選び方
サイズ選びの基準は「髪の長さ」よりも「どんな仕上がりにしたいか」です。目安は次のとおりです。
| 直径の目安 | 向く長さ | 仕上がり |
|---|---|---|
| 細め(およそ25〜32mm) | ショート・ボブ・前髪 | しっかりしたカール、動きのある毛先 |
| 中間(およそ33〜45mm) | ボブ〜ミディアム | 自然な内巻き、毛先の丸み |
| 太め(およそ46mm以上) | ミディアム〜ロング | ストレートに近い自然な丸み、面をそろえる |
迷ったときの考え方は2つです。
- ミディアム〜ロングをストレートにブローしたい — 太めを選ぶと扱いやすく、髪も通しやすくなります
- 毛量が多い、または一気にカールをつけたい — 少し細めを選ぶとカールが付けやすくなります
1本で済ませたい方は、ご自身の長さに合う中間サイズから始めるのが無難です。前髪も整えたいなら、細めをもう1本。
毛の素材で選ぶ|豚毛・軟豚毛・猪毛・ナイロン
ロールブラシは、植毛されている毛の素材によって向く髪質が変わります。
- 豚毛・軟豚毛 — 柔らかい髪質の方、髪が細い方に。毛にコシがあり、頭皮にあたっても比較的やさしい素材です。軟豚毛は豚毛よりさらに柔らかい質感になります
- 猪毛 — 太くて硬い髪質の方に。毛が太く弾力があり、適度な油分と水分を含んでいるため静電気を抑えやすいのが特徴です
- ナイロン(樹脂製) — 静電気は起こりやすいものの、洗いやすく清潔に保ちやすい素材です
豚毛と猪毛の違いは豚毛と猪毛はどっちがいい?ヘアブラシの違いで、樹脂製の性質は樹脂製(ナイロン)ブラシとは?メリット・デメリットと向く髪質で詳しく整理しています。
柄と形状の違いも見ておく
柄の部分が金属製のものはドライヤーの熱が伝わりやすく、しっかりとしたカールを付けたいときに適しています。ふんわり仕上げたいだけなら木製やプラスチック製で十分です。先ほど触れた三角柱状のタイプは、テンションをかけやすいのでくせ毛を伸ばす用途に向いています。
100円ショップや無印良品のロールブラシでもいい?
まず試してみるという段階なら、手に取りやすい価格のもので構いません。100円ショップ(ダイソー・セリアなど)や無印良品でも手に入ります。ロールブラシは形そのものが仕事をする道具なので、安価なものでも「巻く」「立ち上げる」という役割は果たせます。ただし、価格帯で差が出やすいのは次の3点です。
- ピンの先端の処理 — 丸く加工されているかどうか。頭皮や地肌にあたる回数が多い道具なので、ここは効きます
- 植毛の密度 — 密度が低いとテンションがかかりにくく、髪がすべって空回りしやすくなります
- 耐熱性 — ドライヤーの熱を直接当て続ける道具です。安価なものは変形することがあります
毎朝使うことがはっきりしたら、2本目は素材と密度を見て選び直すのがおすすめです。
メンズのスタイリングにも使える?
使えます。むしろ短めの髪ほど効果がわかりやすい場面があります。トップのボリュームを出す、前髪を流す、襟足のはねを抑えるといった調整は、手ぐしとドライヤーだけでは思うようにいきません。
短い髪に使う場合は、細め(25〜32mm程度)を選んでください。太いブラシでは短い毛束を巻き込めません。
うまく巻けないときによくある3つの原因
- 毛束を取りすぎている — ブラシの直径と同じ幅まで減らしてください。いちばん多い原因です
- 温かいうちに外している — 冷めるときに形が決まります。数秒待ってから外してください
- 髪が濡れすぎている — 8割ほど乾かしてからロールブラシに持ち替えます。濡れた状態の髪は引っぱる力に弱く、絡まりやすくなります
よくある質問
ロールブラシとくるくるドライヤーはどちらがいいですか?
手軽さならくるくるドライヤー、仕上がりの細かさならロールブラシです。ロールブラシは風の角度と温度を自分で決められるので、根元の立ち上げやくせを伸ばす作業では有利です。片手で完結させたい方はくるくるドライヤーが向いています。
濡れた髪に使ってもいいですか?
びしょ濡れの状態では使わないでください。まず8割ほど乾かしてからロールブラシに持ち替えます。濡れた髪は引っぱる力に弱く、絡まったときの負担も大きくなります。
髪が絡まってブラシが抜けなくなりました
引っぱらないでください。巻いた向きと逆方向にゆっくり回して戻すと、多くの場合ほどけます。それでも取れないときは、無理をせず絡まっている部分の毛束を少しずつ分けながらほどいてください。
お手入れはどうすればいいですか?
抜けた髪やほこりは、コームの先などで定期的に取り除いてください。ナイロン製は水洗いできるものが多く、豚毛・猪毛は基本的に水洗いを避けて乾いた状態で汚れを落とします。洗える素材かどうかは製品の表示をご確認ください。
ブラシの選び方シリーズ
- デンマンブラシとは?D3・D4・D5の違いと選び方
- スケルトンブラシ(ガイコツブラシ)とは?使い方と選び方
- クッションブラシとは?頭皮ケア効果と使い方
- 豚毛と猪毛はどっちがいい?ヘアブラシの違い
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ご自身の髪質やくせに合うブラシ選び、ブローのやり方は、サロンでもご相談いただけます。
